佐藤 暢治
- 職位:教授
- 学位:博士(文学) (広島大学)
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連絡先:nsato[a]hiroshima-u.ac.jp
※メールをお送りになる際には、[a]を半角の@と表記されてください。
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主な経歴
- 中国首都師範大学, 客員教授 (2004)
- 広島大学, 北京研究センター, 准教授 (2007 – 2012)
- 北京研究センター, 教授 (2012 – 2017)
- 北京研究センター, センター長 (2014 – 2019)
- 広島大学中国学プロジェクト研究センター, センター長 (2012 – )
- モンゴル研究センター, センター長 (2019 – )
研究実績等については以下をご参照ください。 佐藤 暢治 (大学院人間社会科学研究科) (hiroshima-u.ac.jp)
研究領域・テーマ
主な研究領域・テーマ:中国甘粛・青海省のモンゴル系危機言語に関する民族言語学的研究
中国の甘粛省で話されているモンゴル系の言語である保安語の全体像を現地調査に基づき、社会・文化的背景とともに記述しています。保安語は「危機言語」であり、いつ消滅したとしても不思議ではありません。どんな言語であれ、言語が消滅するということは、この地球上から貴重な文化遺産のひとつが失われること、そしてさらには人類にとって不可欠な多様性が失われることを意味します。
この研究には、2つの目的があります。1つ目は、消滅の危機にある保安語を当該社会が望む形で次世代に継承できるようにするといった民族語教育への貢献です。これまでに母語話者とともに、文字を持たない保安語に保安語を表す文字の創成をおこない、その文字を用いた辞書、民話集などを作成してきました。現在は、子ども向けの会話読本の作成に取りかかっています。
2つ目は現地調査で得た言語資料の分析を通じて、保安語の全体像を明らかにすることです。これまでの研究で明らかになったこともたくさんありますが、まだわからないこともたくさんあります。わからないことが明らかになれば、保安語の研究だけではなく、モンゴル系言語の研究が大きく発展する可能性があります。さらに、その研究成果が一般言語学に多大な貢献をする可能性さえもあります。近年は、自己性(egophoricity)とそれに関わる言語現象の研究、言語変化と社会との関係を探る研究をおこなっています。
指導可能な研究領域・テーマ
指導可能な研究分野は日本語、モンゴル系諸語(あるいはそれらの近隣で話されている言語)を対象とした言語学の研究です。言語データの記述と分析に基づく言語研究であれば、研究方法については特に問いません。ただし、語用論、談話分析、会話分析は除きます。
学生の主な研究題目は以下のとおりです。[M]=修士論文、[D]=博士論文
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ロシア連邦ブリヤート自治共和国におけるブリヤート語の存続性に関する研究(A Study on the Succession of Buryat, Republic of Buriyatia) [M]
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中国における日本製マンガ・アニメの受容と翻訳に関する研究―マンガ『ドラえもん』を事例に―(Study on the Acceptance and Translation of Japanese-made Manga and Anime in China : A Case Study of the Manga “Doraemon’’)[M]
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日本語とモンゴル語における身体語彙慣用句の対照研究-目を含む慣用句を中心に-(A Contrastive Study on the Body-part Idioms in Japanese and Mongolian: Focused on Idioms with “Eye”)[D]
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中国青海省黄南蔵族自治州尖扎県における多民族村の言語使用状況に関する研究(A Study on Language Situation of Multi-ethnic Village in Huangnan Tibetan Autonomous Prefecture of Qinghai, China)[D]
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中国語を母語とする日本語学習者における接続詞の誤用に関する研究―「添加型」を中心に―(An Error Analysis on the Usage of Conjunctions in Chinese Students Learning Japanese as a Second language: Focusing on “Additive” Conjunctions)[D]
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ウェブニュース見出しの翻訳メカニズムに関する社会言語学的研究―中日翻訳と日中翻訳を中心に―(A Sociolinguistic Study on the Mechanism of Translation in Web News Headlines: Focusing on Japanese-Chinese Translation and Chinese-Japanese Translation)[D]
本プログラムへの進学を検討されている方へのメッセージ
異なる文化に触れるということは、新しい文化に出会うだけでなく、自分の文化を見つめ直す絶好の機会を得ることになります。新たな道を切り開き、自らの道を進んでください。そして、広島大学で学ぶことがゴールではないことも肝に銘じてください。
研究室ウェブサイト等
広島大学モンゴル研究センター:https://www.huusumrc.hiroshima-u.ac.jp/